第二回に登場する、北宋の文学者。一般的には、同じく文学者でもあり政治家でもあった
蘇軾の弟として有名である。
蘇軾は号を東坡居士といったため、
蘇東坡とも呼ばれる。政治家としても施政官として善政を行った記録が残っており、教科書には旧法党の士大夫としての名前も残っているが、特に詩人としての名声が高く、現代日本にも多くのファンを擁する、軍人以外では極めて稀な人物である。同時に詞の大家でもあり、現在でも宋代の文学者としては最高の評価を受けている。そんなわけで
蘇轍のほうは偉大すぎる兄の陰に隠れがちだが、自身も当代の大文学者であり、唐宋八大家の一として数えられる。進士にも兄とともに及第している。父親の
蘇洵も唐宋八大家の一(ただし進士には合格していない。余談)。親子三人で大文学者なわけだ。
蘇洵は老蘇学士、
蘇軾は大蘇学士、
蘇轍は小蘇学士と呼ばれ、あわせて「三蘇」と呼ばれる。『水滸伝』に登場するのは
蘇轍で、小蘇学士の名前で登場している。で、その役割であるが、水滸伝最大の悪役である
高毬(のちに
高[イ求])を、
端王(のちの
徽宗)に推薦したのは
王晋卿。その
王晋卿に
高毬を推薦したのが、この”小蘇学士”
蘇轍なのであった。ただそれだけ。作品中では悪役が大出世する手助けをしてしまっているわけだ。
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